平成24年度は、センター発足5周年となる平成25年度に向けて、発足以降のセンターの体制・活動を見直すと同時に、今後のセンター運営に際しての長期的な方向性を検討する。本センターは、グローバリゼーション研究を趣旨とするが、グローバリゼーションの進展に伴って、世界各地で弱者の周縁化と排除が進行してきたことが報告されており、社会文化的背景の多様性を踏まえつつ、グローバリゼーションの恩恵から取り残されてきた人々を対象とする研究が必要とされている。本センターでは、こうした要請に答えるべく、新たに「グローバル化社会の人間の安全保障に関する研究」を総合課題として研究教育活動を推進する。
「人間の安全保障」は、国民国家の枠組みを超えたグローバルな協力によって、弱者を人権侵害や危険性から保護することを目指す新しい安全保障と人間開発の包括的概念であり、多くの分野の学際的協力によって研究教育が推進されている。本センターは、2009年以降、加盟団体として、人間の安全保障教育研究コンソーシアムに参加してきた。コンソーシアムが発展し、昨年度、「人間の安全保障学会」が設立され、さらなる発展が期待されている。本センターは、こうした動向を受け、グローバリゼーションと人間の安全保障に関する研究を重点課題として研究を推進する。
また、本センターが推進母体のひとつとなり、平成22・23年度大学教育推進プログラム「フィールドワーク型初年次教育モデルの構築」を推進してきたが、学部を対象とした教育プログラムであった。本センターは、本来、国際関係学研究科附属のセンターであり、今年度は、学部のみならず、大学院教育を対象とした教育プログラムを試行的に推進することを計画している。
以下に、各教育プログラムと研究・社会貢献プロジェクトの概要を示す。平成24年度は、7件の教育プログラムと20件の研究・社会貢献プロジェクトを、グローバル・スタディーズ研究センター事業として認定し、推進していく予定である。なお、以下の事業には、研究員就任予定者による事業も含まれている。
(以下省略)