このたび、静岡県立大学国際関係学部主催、本センターの共催で、関西学院大学の安達智史先生をお招きし、学内者を対象に、ムスリム女性とスポーツをテーマに社会的包摂のあり方を考える講演会を開きます。対面参加もZOOM参加も可能です。みなさまふるってご参加ください。
草薙キャンパス3315教室でご参加いただいてもZoomでご参加いただいても結構です。
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スポーツは、心身の健康とともに、喜び・自律・幸福といった「人権」の条件と不可分に結びつく活動である。だからこそ、スポーツへの参加は社会的包摂の重要な一部と考えられている。現在、「スポーツを通じた包摂」の対象として政治的アジェンダに置かれているのが、ムスリム女性である。イスラームと女性のスポーツ参加との関係は、アンビバレントなものである。一方で、イスラームにおいて、スポーツや身体活動は、女性も含め推奨される行為とされている。だが、他方で、現実には、ムスリム女性のスポーツ参加の割合は低く留まっている。では、その理由は何であり、また彼女たちの包摂には何が必要だろうか。本講演では、ムスリム女性のスポーツ参加をめぐる現状、スポーツを通じた国際的な環境変化、ムスリム女性のスポーツ参加を妨げる多様な要因について議論することで、信仰、ジェンダー、スポーツの間にある複雑な関係について紐解いていく。その上で、社会的包摂の多様な形について検討する。
安達智史(あだち さとし)
京都府出身。専門は、理論社会学、政治哲学、宗教とジェンダー。研究テーマは、ヨーロッパの社会統合研究、ムスリム女性のジェンダー意識と信仰をめぐる国際比較研究。近年、スポーツと宗教の関係を、イスラーム、女性のエージェンシー、ポスト世俗化をテーマに探究している。主な著書に、『リベラル・ナショナリズムと多文化主義』(勁草書房、2013年)、『再帰的近代のアイデンティティ論』(晃洋書房、2020年)、Muslim and British post-9/11(Trans Pacific Press、2023年)。受賞歴として、日本社会学会奨励賞(論文の部、2011年)、同奨励賞(著書の部、2021年)など。