「映画で知ろう!移民・難民Ⅱ」を開催しました
グローバル・スタディーズ研究センターは昨年度から引き続き、映画の上映と解説から成る移動大学の企画を実施しました。「映画で知ろう!移民・難民Ⅱ」と題して移民・難民に焦点化した企画を一般の方にお楽しみいただけるよう、さらに全3回ともオンライン上映としてご家庭からの参加が可能となるようにいたしました。主催は静岡県立大学グローバル・スタディーズ研究センター(CEGLOS)、共催は静岡市地域福祉共生センター(みなくる)でした。
主催者からのメッセージ:移民・難民は一人一人、自分の置かれた状況をめぐって語れるものを持っています。その声に耳を傾けることが、世界的な課題に近づくうえで大事な一歩となります。映画に込められた移民・難民の物語を皆さんと一緒に読み解きましょう。
第1回 2020年12月19日(土)『オレンジと太陽』(イギリス・2010年)
- 解説・司会:澤田敬人・中村正(立命館大学教授)
- 映画の舞台:イギリス、オーストラリア
- 映画で使われる言語:英語、日本語字幕
- 上映時間:105分
- テーマ: 海を渡って引き裂かれた親子の再会に力を尽くす一人の女性の実話
- 解説者からのメッセージ:オレンジが豊富で太陽の輝きに満ちた美しい国へ行くと強制的に連れ出され海外で生育した子供たちの存在に気付いた女性が、10万人以上に上る児童移民の実態を明らかにします。
第2回 2021年1月23日(土)『タレンタイム』(マレーシア・2009年)
- 解説・司会:冨澤かな・石井由香
- 映画の舞台:マレーシア(イポー)
- 映画で使われる言語:マレー語、中国語、タミル語、英語
- 上映時間:115分
- テーマ:見知らぬ町の「私たち」―マレーシア多民族社会のひとびとに出会う
- 解説者からのメッセージ:マレーシアの町イポーを舞台に、多文化状況の豊かさと厳しさとを描く、みずみずしい青春音楽映画です。多くの民族、言語、宗教が行き交う独特な文化の中、人間の普遍的な喜びと悲しみがこまやかに描き出されます。
第3回 2021年2月20日(土) 『僕の帰る場所』(ミャンマー・日本・2017年)
- 解説:小島敬裕(津田塾大学教授)
- 司会:下條尚志
- 映画の舞台:ミャンマー、日本
- 映画で使われる言語:ミャンマー語、日本語
- 上映時間:98分
- テーマ: "難民"の人々が抱える葛藤を、日本に在住するミャンマー人家族の視点から描く
- 解説者からのメッセージ:日本における難民受け入れに関しては、様々な議論が行われてきました。しかし本作は、ミャンマー人の両親が帰国すべきかどうかで揺れる葛藤を描くのみならず、その子供たちの帰国後の生き方にも焦点を当てた、注目すべき映画です。